ひとりゼミ@A404

高専教員が一人で研究しています

質問ってなんだ

質問ってなんだ?
なにをすれば質問になるんだ?
どんな種類の質問があるんだ?

みたいなことを、昨日は半日考えていました。
来年度、「質問ってなんだ?」という内容の授業をやってみようかなと思っているので、そのための自学自習です。

質問とはなにか。そんなことはすでに論理学とか、言語学とか、修辞学とか、ロシア・フォルマリズムとかの研究者が考えて答えを出していると思います。
でも自分の説もほしいじゃない?
研究者の端くれとして。

以前「洗濯物ってどっからが洗濯物だ?」と考えたときのことを思い出します。
洗濯物ってどこからが洗濯物だと思いますか。
洗濯されるべきもの(まだ水につけていない)も、洗濯中のもの(水で洗われている最中)も、洗濯機からとりあげられたもの(濡れている)も、干されたもの(乾いていない)も、乾いたもの(収納されていない)も、すべて「洗濯物」って呼びませんか。「洗濯物」のシニフィエってめちゃくちゃ広いんですよ。
でも「着ていない服はすべて洗濯物」かというとそういうわけでもない。クローゼットにしまわれている状態というのがあるから。クローゼットにしまわれているものは「洗濯(が完了した)物」という理解でいいのか?
わからない。

先行研究を探せば正解にはすぐたどり着けそうだけれど、考えるのが楽しいのでまだ探しません。

科研費の季節②

科研費が書けん日。

なんとか申請書を提出しました。
ギリギリすぎる。

いや〜……。
提出した日に言うことではないかもしれないが、受かる気がしないな(笑)

一応毎年「去年よりはよく書けた」と感じているんですが、手応えがあったことはまだないです。
ちょっとずつマシにしていくしかない。毎回良くなっていったら、いつかはボーダーに乗っかるはずだから。

昔先輩に言われた言葉を思い出します。
「研究者はマキバオーと同じ。『負けないのね〜ん!』っつって走り続けたやつが勝つ」
歳をとればとるほど、真理だなと思う。

負けないのね〜ん。

GWよさらば

5月に入ってどっと疲れが……。
今日は1日中ぼんやりとしていました。
GWが終わっちゃって、しばらく気の休まるタイミングがないなあ。

燃え尽きないよう気をつけねば。既に燃え尽きかけている説は否めないが。

この間行った青森駅近くのフォトスポットの写真を載せます。

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ブログも、無理しないように、ぼちぼちでやっていきます。

『ジョジョの奇妙な冒険』の話

NHKのドラマシリーズ『岸部露伴は動かない』の第9話「密漁海岸」が5月10日(金)に放送されますね。
楽しみだ~。

私は博士論文を書きながら『ジョジョの奇妙な冒険』全巻を読み切った人間です。
後輩たちに「先輩は絶対『ジョジョ』好きですよ!」と勧められるのを躱し続けていたのですが、最終的に、映画『岸部露伴ルーヴルへ行く』(2023)を観る予習のために読みました。

どの順番で読んだかな。たしか、4→5→1→2→6→7→8→3だったと思います。
近所のTSUTAYAのレンタルコミックスペースが、一瞬でも目を離したら負ける争奪戦の様相を呈していて、借りられる部からでしか読めなかったんですよね。

ある平日の昼間に6部を借り漁っていたら、あとから入店してきた小学生が私のかごの中を見て「アッ……」という顔をして帰っていったのが懐かしいですね。
悪ぃなァ~~~~少年! TSUTAYAは早い者勝ちなんだヨォ~~~~~~ン!!

このエピソードを大学院の後輩に話したら「譲らないところが『ジョジョ』の悪役みたいですね」と笑われました。
残念ながら私に黄金の精神はないです。

借りた6部は大急ぎで読んで返却したなあ。
あの子はちゃんと読めただろうか。

修司忌

今日は修司忌。
私の研究対象の命日です。

はじめて寺山修司に関する研究発表をしたのは学部3年生のときでした。
正直当時は「文学研究って、なにをすれば研究になるの?」と思っていました。
だから、「自分にとって一番よくわからないものについて調べて、わかるようにしたらいいんじゃないか」と考え、当時の自分にとって一番よくわからないもの=寺山修司の映画を研究対象にした次第です。

扱った作品は、歌集『田園に死す』(1965年)と映画『田園に死す』(1974年)。
我ながらチョイスは絶妙だと思います。分析方法はなっちゃいませんでしたが。

博士論文を書いたときに、もう一度歌集と映画を比較しようと画策したけれど、結局紙幅と時間の関係で断念しました。
近々再挑戦しなきゃ。

映画『田園に死す』との出会いは、小学4年生のときでした。父親に観せられたんですよね。強制的に。
冒頭10分で「これは……ホラー映画か?」と思ったのを覚えています。
そのときは30分くらい観たかな。がんばったんですが、意味不明すぎて耐えられませんでした。

いまでは好きな映画の一つです(でも、小学生に観せるのはどうかと思う)。邦画の1位なら『田園に死す』か『太陽を盗んだ男』(1979年)かといった具合です。

発表準備をしていたときは、DVDプレーヤーを使って、通学中に何度も観たなあ。
5・6回目を観終わったころに、「これはSF映画だ」と結論した記憶があります。
タイムトラベルの話だし、まあSFか、SFホラーと言っていいんじゃないかしら。

久しぶりに観たいな。

社会人生活1ヶ月目を終えて

早いもんでもう5月。
この町に越してきて1ヶ月。社会人生活1ヶ月目終了。
あれだけビビっていた4月を乗り越えたんだなあ。なんだか実感がないけれど、時は着実に進んでいっている。アパレルショップの展示は半袖になったし、近所に新しい飲食店もできた。

高専教員は激務だよ」とあらゆる人から聞かされてここにきたけれど、私はいまんとこ大丈夫です。
残業も少ないし、授業準備も遅滞なく進んでいる。研究の時間はあんまりないが、長期休暇がくればなんとかなるのではないか?(甘い目算)

そうはいっても、いまの私の環境が新任者向けのチュートリアルモードなのは間違いないです。同僚の先生方は死ぬほど働いているので。
来年度は私もああなるのかな。怖いな。

夏が勝負の気がする。今年のうちに論文書いて業績作ろう。春には全国学会で発表したいのだ。

科研費の季節

今年もこの季節ですよ。科研費の季節。
毎年この時期はWordと見つめあって苦しんでいるような気がする。

科研費」とは「魅力的な研究とその研究を遂行する研究者に対して研究費を支援してくれるシステム」のことです。
似たようなのに「学振」というのがあります。システムは同じですが名前が違うわけは、(すごくざっくり言うと)「科研費」は大人向けで「学振」は学生向けだからです。
それらのシステムを使いたい研究者、つまり研究費がほしい研究者は、自分の研究の魅力を書き綴った作文を提出して、「なるほど、魅力的ですね!」と認めてもらう(=採択してもらう)必要があります。
この作文がかなりの曲者で、A4用紙1枚などというわけにはいきません。私の分野だと、だいたい1件につき1万〜1万3千文字くらい作文します。

今回私が応募するのは「研究活動スタート支援」という種目です。「若手研究」にしようかと思っていたところ、友人に「こっちのほうが採択率が高いよ」と教えてもらい鞍替えしました。

今年の「研究活動〜」の締切は5月9日。ですが、現状半分程度しか書けておりません。
「昨年落ちた学振の書類が流用できるし大丈夫でしょ」と思っていたのに、いざ読み返してみると大手術が必要なことがわかり、悲しんでいます。それでもゼロから書くよりはマシです。

科研費の書類は書くことが大事。書くと研究の方針が明確になるから。書いているあいだは苦痛で仕方ないけれど、1年間の活動計画を出すみたいなもんだと思って諦めています。
もしもアカデミックポストを目指している就活中の院生がこれを読んでいたら、しんどくても学振の書類は書いたほうがいいと思う。どうせアカポスへの応募時には研究計画書を書かされるので、学振の書類がそのまま下書きになります。

昔からの悩みなのですが、科研費や学振の作文って、理系のハウツーは多いのに文系のはほとんどないですよね。院生時代は何をお手本にすればいいのかわかりませんでした。まあいまもですが。
でも、昨年度就職活動をしたら、今年度はすこしだけ書きやすいような。ということは、エントリーシートの書き方を参考にすればよかったのかな。
少なくとも迷いは格段に減った。100が95くらいにはなった。

GWはどこにもいかず作文ですね。
今年こそ受かるかな。あ、間違えた。当たるかな。